「福島民放 県内インタビュー」に掲載されました。

以下転載です。

自分の米は自分で売る

「全国名稲会員」(名人)に認定された 古川農園 代表 古川勝幸さん

ー米・食味分析コンクール国際大会でダイヤモンド褒章を受賞し、県内で初めて大会殿堂いりの「全国名稲会員」(名人)に認定されました。

◇全国名稲会員になることは大きな目標でした。5回の金賞受賞が一つの基準なので、審査を経て一年後に認定を受けます。平成十六年から二十年まで五年連続でコンクール総合部門金賞の実績が評価されました。

ー名人は全国で六人だけです。喜びもひとしおだお思います。

◇喜びよりも責任やプレッシャーが大きいです。名人にあぐらをかいていては忘れられてしまいます。作った米が「こんなものか」と言われないよう頑張ります。おいしくなかったら消費者は米を替えてしまいますし、毎年同じでなく味を向上させなくてはなりません。安心はできません。

ー漢方を肥料に使う農法に取り組んでいますね。

◇平成十三年ごろ、栃木県の漢方無農薬研究会を知り、仲間と勉強に出掛けたのが始まりです。十五年ごろに福島支部といえる漢方無農薬研究会をつくり、現在は郡山市大槻町の農家を中心に八人で取り組んでいます。共同で漢方の肥料を購入したり、「漢方未来米」を出荷したり、技術勉強会を開いたりしています。味を一定するためにも、施肥を一緒に行うなど徹底した管理を行っています。

ーなぜ、この農法に取り組んだのでしょうか。

◇米価が下がり、稲作農家にとって大変な時代が来ることは目に見えていました。自分たちから改革して先手をうたなければ生き残れないと思いました。時代が、消費者が何を求めているのかを考えました。漢方未来米は一反(十㌃)当たり収量は六〜七俵(一俵六十㌔)で狩猟の多い地域の半分ほどです。それでも漢方未来米の取引価格は収量差をカバーする額となっています。

ーどこに出荷しているのですか。

◇ほとんどが県外の米屋さんです。一カ所に集中させず、五〜二十俵ぐらいずつ分散させています。一カ所に集中させることによる値崩れを防ぐ自己防衛でもあります。これからは消費者との直接販売にも力をいれていきたいと思います。

ー営業活動も行っているそうですね。

◇農家は米を作ることはできても販売することは苦手なものです。冬期間は営業や宣伝活動、自分の米を売り込むための知識を蓄えなければなりません。作りっぱなしではなく、自分の米は自分でうらなければならないと思います。

ー農業再生には何が必要でしょうか。

◇楽しいと思うことが大切です。お客さんに「おいしいですよ」と感想をもらうことが力になります。消費者が生産者の顔を知りたいように、生産者も消費者の声を知りたいと思わなければ向上しません。「安全・安心・おいしい」はあたり前でそれ以上を目指さなければなりません。

聞き手 弓田輝彦